「NANA Competition Wave Filters」を購入

タイ「NANA COFFEE Roasters」が開発したウェーブ型のフィルター。サイズはカリタのウェーブフィルター155に相当し、コンペティションの名の通り大会競技といった大舞台での使用を想定した特別なフィルターとなっています。

NANA COFFEE Roasters所属のThailand National Brewers Champion 2024「Wasin Kusakabe」さん曰く、100% のPREMIUM PULPから作られているこのペーパーは、リンスをする必要はありませんとのこと。早速色々と触ってみました。

ペーパー自体は無臭ではありませんでした。カリタの紙!って感じ香りと比べると香りは非常に薄いので、恐らく梱包のビニールを融着する際に発生した香りがそのまま袋内に空気と共に入っているだけかと思います。所謂「新品」の香りなので、開封して数時間経過後に確認したら、脳をフル回転させてやって香りだとわかるレベルになったので、ほぼ無臭と言って良さそうです。

リンスの必要は無いとのことでしたが、一応「紙の味」も確認。リンス後のお湯を何度か飲んでみましたが、こちらも無味では無いかなと。めちゃくちゃ味するじゃん!ということはありませんが、カリタと比べるとまろやかで甘さの印象もあります。一応リンスありなしどちらも試してみて紙の味の影響を感じてみましたが、ノイズが乗ったり味わいがマスクされてる感はなく、どちらもカリタに比べクリアな印象でした。

オーソドックスなハンドドリップ用の挽き目で抽出速を見ましたが、カリタより10~15秒くらい早め。早いというか速度が一貫している印象です。普段ウェーブを使っていると豆の種類や焙煎度によっては中盤から後半にかけて若干目詰まりすることがあり、レシピや挽き目の調整が必要なのですが、ナナのフィルターは想定したスピードで落ちてくれるので気持ちが良いです。ただカリタ用に組んだレシピをそのままナナに持っていくと若干物足りない感じなので、シバリストのように専用でレシピを組む必要はないかと思いますが、少し変更が必要でした。レシピを変えないなら、お湯を注ぐ速度を少しゆっくりにした方が良いかと。

肝心の味わいについては、ウェーブ形状のフィルターならではのバランスの良さは勿論のこと、フレーバーを感じやすいクリーンな仕上がりになるかと思います。ざっくり言えば浅煎り~中煎りの豆で違いを感じやすいです。抽出に失敗したわけじゃないし、美味しい豆であることは確かなんだけど、なんかちょっと暗かったり曇った印象があって、これをどうにか払拭したいという時に使ってみようと思わせるフィルターかなと。レシピの大幅な変更は必要ないですし、良い豆であればあるほど、繊細な豆であるほど活躍する印象があるのはシバリストと同様ですね。

普段どんなコーヒーを楽しんでいるかにもよりますが、お家で日常的に使うにはカリタのフィルターでも全く問題ないと思いますし、ナナは価格も含め活躍の場は限られてきそうですが、ウェーブ愛好家の方はポテンシャルのある豆と向き合う際に1箱くらいは持っておくと色々試せて面白いでしょうし、繰り返しになっちゃいますが、絶対美味しいのにこの暗かったり曇った印象何なの!?という経験がある方は、もしかしたらペーパーをこれに変えるだけで解決する…かも?と思わせるまっすぐ素直なフィルターでした。